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神楽に魅 せられて 

ミュンヘンで出会った神楽団に

惚れた私の神楽体験 記


インデックス

◆1:
神楽との出会い

◆2:ミュンヘンの虹


◆3:どちらのご出身?


◆4:私の自然崇拝思想


◆5 :豹変する神楽団

◆6:2005年6月のドイツ公演

◆7:お囃子デビュー
 

◆8:パリの島根県人会公演


◆9:神々しい「神主神楽」
 

◆10:石見と出雲と神主神楽


◆11:神楽に魅せられて





ご意見、ご感想 を
お寄せ下さい。




第5話 豹変する神楽団
レストラン神楽


1月19日(土)
6時〜10時
20 ユーロで食べ放題!
(飲み物、デザートは別)

ドイツ人と日本人の交流の夜!
ジャズの生演奏、カラオケなど
楽しい企画が盛りだくさん!


 

大漁マグロ祭り



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大漁に入荷しました!
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滝つぼ神楽解説 
No.5-1.
面が泣く?

2004年のミュンヘン公演で初めて稲田姫の役をやった時の私は、言われた事を忘れな いように こなすだけで、精一杯でした。2005年のジークブルグ公演の時は、2回目とは言え、一年ぶりなので、やはり「ここでお辞儀をして、ここで刀を高くあげ て、、、」と、「やらなければいけない事」を頭で考えている状態でした。

ところが3回目のメアブッシュ公演の時は、先日やったばかりで自信も付いた事も あり、「よし。今回は、ちょっと感情移入にチャレンジしてみよう!」と思ったのです。そこで私は母親が稲田姫と別れるシーンで、名残惜しそうに何度も何度 も振り返りながら去って行く時、私は母親の目をジッと見つめ、「ああ、これが最後かも知れない。お母さん、お世話になりました。さようなら。」という思い を込めて、あたかも自分が大蛇に食われる気分に浸ったら、思わず涙が出そうになりました。

この時、母親役の人には私の「チャレンジ計画」の事は伝えていなかったにも拘らず、公演が終わると、「今日は凄く良かったよ。こっちもやりやすかった」と 言われたのです。つまり「私が嘆き悲しんでいる気持ちが相手方に伝わり、相手方も同じ思いを返す」という「感情のキャッチボール」が舞台上でできたわけで す。

こうした実体験が、神楽を理解する上で非常に刺激となった事は言うまでもありません。それからはじっと神楽を見ていると、喜んだり、悲しんだり、怒ったり というその場面場面で演じられる舞い手の感情がそのままお面に移写されて、確かにお面が笑ったり、泣いたり、怒ったりと、変化して見えるようになりまし た。

団員達の話ですと、「手に持ってみて、何これぇ?と思うような、シンプルな造りのお面ほど、かえって舞台では変化して見えて、映えるのだ」という事でし た。「逆に、お面に個性や表情があるものは、その表情に固定されてしまって面が変化しないので、かえって舞台では映えない」のだそうです。

まだまだ奥が深い神楽の魅力。私はまだ、その入り口にいるだけに過ぎません。


 
No.5-2. 神楽ハーモニー

神楽の奏楽は大太鼓、小太鼓、笛、手拍子(チャンガラ)の4種類が主で、たまに鼓や鈴 なども登場します。神楽舞には面をつけるものとつけないものがあり、通常は面をつけない神楽で始まり、その場を清めて神様においで下さい、とお誘いをす る。それから面をつけた神楽が始まる、という段取りです。

これは私の解釈ですが、面をつける意味は、舞い方はもう人間ではなく、そこには神様がお宿りになっているので、お面をつける事で人間性を消すわけです。要 するに、お面の下で誰が舞っていようがもうあまり関係がない。いったんお面をつけたら、それは神様が宿っているのであり、神様の道具として自分の身をお使 い下さい、というつもりで無になって神様に身を預ける事ができた人が上手に舞う事ができるのだと思います。逆に、頭で所作を考えている人にはかえって神様 の力を妨げるので、上手に舞う事ができない。「舞が身体に染みる」というのは、自分が無になって身体が勝手に動くのに身を任す、という意味なのだと私は解 釈しています。

また、神楽団には「ヒーロー」がいないのが特徴です。もちろん大蛇退治で言えば、スサノオノミコトが主役なのですが、ドイツ公演中でも、今日は俺、明日は お前、という事で
スサノオノミコトをやる人がころころと変わりました。酷い時は「私の手を握りたいから」 という理由で、前半と後半でスサノオ役を取り替えた、という事もありました。恩田さんが団長なので大太鼓 をやる事が多いのですが、例えば恩田さんは小太鼓も手拍子もできるし、舞い方もスサノオだけでなく、色々な役柄を舞う事ができます。もちろん「この役をや らせたら俺が一番だ」とか、「この役は俺にしかできない」というのもそれぞれあるようですが、基本的には一人が何役もこなせるし、色々な奏楽もできるので す。

神楽は誰か一人が目立つのではなく、舞い方も奏楽もすべての構成要員が一つになる事によって成り立っており、神楽の舞台全体が調和して、ある種の宇宙を形 成し、その一部としてそれぞれの団員がそれぞれの持ち場を担当しているだけに過ぎないのです。舞い方と奏楽と観客が一体化した時、大きなエネルギーにつつ まれて全体が一つに調和する。これが神楽の魅力であるというのが、私個人の解釈です。


筆:滝つぼ 2008年1 月



Language : Japanese, English, Deutsch, Españo

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